トヨタ自動車は、高級車ブランド「レクサス」シリーズで採用したフロント部分に2つの台形を組み合わせた形の「スピンドルグリル」について、次期モデルは、この形状に固執しない開発を進めていることを明らかにした。幅広い選択肢の中からデザイン改革をさらに進めていく狙いだ。
同社は、ひと目でメーカーが識別できるデザインを幅広い車種に採用することで、認知度やイメージの向上につながると判断し、レクサスシリーズに大胆なデザインが特徴の「スピンドルグリル」を採用。独BMWがチョウが羽を広げたような「キドニーグリル」と呼ぶ共通の顔を採用して高いブランド力を維持するなど、欧州勢に多く見られる手法を採用した。
「スピンドルグリル」は昨年1月発売の「GS」での採用を皮切りとして、同年10月には最上級セダン「LS」も、一部改良を契機に取り入れた。ただ「デザインに制約ができてしまい、自由度が狭まる」(トヨタ幹部)との見方も社内で浮上。そのため「スピンドルグリル」としての統一感は残しつつ、欧州勢とは一線を画したデザイン改革を進めることになった。