ESCAPは当初、CO2が大規模排出源から大気に放出される前に回収し、地下に封じ込める「CCS」(二酸化炭素地中貯留技術)を構成する技術として開発された。しかし、分離・回収したCO2が炭酸ガスとして工業ガスや炭酸飲料、ドライアイスの原料として利用できることから、まずは工業ガスメーカーや飲料メーカーが化学メーカーなどと連携してコンビナートなど排ガスが大量に出る場所に設置することなどを想定。鉄鋼メーカーや化学メーカーに加え、工業ガスメーカーや飲料メーカーなどにも売り込みを図る考えだ。
また、資源の有効活用策として、油田にCO2を注入することで原油の回収率を向上させる「石油増進回収技術(EOR)」に注目が集まる中、国内外の油田向け需要も狙う。
ESCAPの価格は、工業ガスの原料やドライアイス向けなどに年間5万トン程度のCO2を回収できる機種は20億~30億円程度。油田向けに年間100万トン程度のCO2が回収できる機種では90億~100億円程度という。(橋本亮)