トヨタ自動車は20日、海外市場でハイブリッド車(HV)「プリウス」やセダン「カローラ」、大型ミニバン「シエナ」など複数車種の値上げに踏み切る方針を明らかにした。足元では1ドル=80円台となっているものの、70円台後半の円高水準が長く続き、輸出採算の悪化が続いているため。
特に同社の単独決算は2012年3月期まで4期連続の営業赤字、13年3月期も赤字の見通しで、これが値上げに至った背景とみられる。トヨタの海外販売比率は8割前後と高いため、得意の原価低減と値上げを併せて単独収支の改善につなげたい考えだ。
営業赤字5年連続
今回の値上げ幅は、円ベースで1台当たり1万円台半ばから30万円程度となるもようで、各国の販売状況や経済情勢に合わせて行う。すでに生産に入り、一部で販売が始まっている2013年モデルが対象となる。
例えば、米国で販売するプリウスは一律200ドル(約1万6000円)値上げし、販売価格は2万4200ドルとなる。米国ではカローラも平均240ドル、シエナは平均460ドル程度上げる。