日産自動車が8月1日に発売したミニバン「セレナ」に搭載した「スマートシンプルハイブリッド(S-ハイブリッド)システム」は、信号待ちなどでエンジンが自動停止するアイドリングストップ機構用モーターと鉛畜電池の強化で低燃費化を図る技術だ。モーターは駆動しないが、燃料節約に焦点を絞った独自の環境対応システムとして、家族層の圧倒的支持を得るセレナを通じて、技術面でも認知度向上を目指す。
日産は2010年11月から、セレナに「ECO(エコ)モーター式アイドリングストップシステム」を導入。同システムは、アイドリング停止から、迅速にエンジンを再始動させるために開発した。同機構に多く使われるスターターモーター式はギア駆動だが、エコモーターはベルトを使う。ベルトは、クランクに直結するプーリーを直接回転させるため、エンジンの再始動を早くできるという。
ハイブリッドシステムでは、同機構用のエコモーターを大型化し、出力を1キロワットから1.8キロワットに増強。発電力も150アンペアから200アンペアに強化した。1つだった鉛畜電池に、小型の補助電池を追加して蓄電容量を高めた。