音楽を聴きながら会話もできる? “耳を塞がない”イヤホンを試してみた 音漏れは大丈夫か

 
同僚にも試してもらった。すっきりしたデザインはとってもオシャレ

 ambie株式会社から“耳を塞がない”イヤホン、「ambie sound earcuffs(アンビー サウンドイヤカフ、以下アンビー)」が登場した。開発コンセプトは「聴きながら、コミュニケーション」。音楽を聴きながら会話も楽しめるという新感覚のイヤホンを様々なシーンで試してみた。気になる使用感や同僚の反応は-。(文・写真 大竹信生/SankeiBiz)

 仕事中に使ってみると…

 アンビーを手にしたときの第一印象は、「なんだ、このカタチ。どうやって耳に着けるの?」だった。アルファベットの「U」字型の不思議なイヤホン。装着方法は、外耳(がいじ)の軟骨部分を挟み込むだけ。装着するときの動作はピアスを着けるときに似ている。耳掛け型のイヤホンは昔からあるが、どれも耳を覆うタイプだった。アンビーは耳の端に“チョイ掛け”するアクセサリー(イヤカフ)のようなイヤホンで、耳に何かを付けているという感覚が極めて少ない。

 職場でパソコンに向かいながら、音楽を聴いてみた。ちょっとハードな音楽から試そうと、米へヴィメタルバンド、メタリカの「エンター・サンドマン」やレッド・ホット・チリ・ペッパーズの「バイ・ザ・ウェイ」を再生する。耳に何も挿入していないのに音楽と周囲の会話が同時にはっきりと聞こえるという、とても不思議な感覚に包まれる。

 一番気になる音漏れはどうか。音量を上げたり下げたりしながら、同僚に確認する。「ボリュームが大きいときは聞こえますね。ハードな音楽が漏れると迷惑かもしれません。でも、音を下げると全く聞こえませんよ」。

 「これならどう?」とクラシック音楽に変えてみる。「あ、音量を大きくしてもほとんど聞こえてきません。ジャンルの違いもあるのでしょうかね」と今回は“合格点”をもらった。こういった会話がイヤホンを外すことなく自然にできてしまうのはとても魅力的だ。音楽と会話の“同時聴取”なんていままで考えられなかったが、これならオフィスでもBGM感覚で安心して楽しめそう。クラシックやヒーリングならリラックス効果も期待できそうだ。

 電車の中でも試す

 帰宅中に電車の中でも聞いてみた。騒音の大きい地下鉄はほとんど音楽が聞こえず完全にアウト。JRでは音量を上げるとなんとなく聴くことができたが、音漏れが気になって思わず停止してしまった。恐らくバスでもそうだが、公共交通機関で音楽を聴きたいときには向かないようだ。

 散歩中の頼もしい相棒

 オフィスと同様にアンビーの持ち味が発揮されたのが、屋外を歩いているときだ。イヤホンで耳を塞ぐとクルマや自転車、遮断機など周りの音が聞こえづらく非常に危険だが、アンビーは周囲の状況を耳で把握しながら音楽を楽しむことができる。繁華街にでもいない限り、夜の散歩は喧騒とも無縁。危険を気にせず好きな音楽に集中できる“贅沢”な時間だ。帰宅時にちょっと懐かしくなって、中学時代によく聴いていたニルヴァーナやR.E.Mの“懐メロ”にしばし没頭してしまった。

 アンビーはコードが擦れる音がしないので、クリアな音を楽しめるのも特徴の一つ。耳が痛くなりにくいデザインは、見た目もオシャレだ。ラバー素材を使用しているので、装着時の安定感もある。運動中でも滑り落ちることはなさそうだ。一つ改善点を挙げるとすれば、イヤホンの先っぽのイヤーピースが外れやすいこと。実際、試用2日目に紛失してしまった…。

 アンビーはこれまで音楽が聴きづらかったような場面でも活躍する、自由度の高いイヤホンだ。一度使ってみると、音楽との接し方や楽しみ方、オフィスでの働き方すらも変えることができるイヤホンであることを実感するだろう。仕事中の社員が使用できるようにアンビーを取り入れている企業もあるそうだ。音楽をBGM感覚で味わいたい方にはオススメしたい。