今年度に採用増やした企業、3割弱にとどまる 募集しても「集まらない」 東商の会員調査

 

 東京商工会議所は22日、会員企業の平成28年度の採用状況調査を発表した。それによると、当初、全体の7割強の企業が採用者数を増やすとしていたが、実際に増やすことができたのは3割弱にとどまった。企業からは「新卒採用が難しい」とか、「求人告知をしても集まらない」といった声が聞かれる。

 1人の学生に複数の企業が集中する「売り手市場」の傾向が強まる中で、学生の大企業志向が強まり、中小企業での人手不足が厳しさを増す様子が浮かび上がった。

 従業員の過不足状況をみると、全体では41%が不足と回答。業種別では、建設業で65.3%が不足とし、切実な人手不足に陥っている。また、規模別では5人以下の企業では25.2%としたのに対し、101人以上では67.4%が不足とするなど、規模が大きい企業ほど不足感が強まる傾向にある。