楽天、先行メルカリを追撃 「フリマ」アプリの競争激化 3位フリルを買収

 
楽天C2C事業部の井上貴文ジェネラルマネージャー(左)とファブリックの堀井翔太最高経営責任者=24日、東京都世田谷区

 個人の売買を仲介するフリマ(フリーマーケット)アプリの競争が激化している。この分野では、ベンチャーのメルカリ(東京都港区)が先行するが、楽天は自社で展開する「ラクマ」に加えて、「フリル」を運営するファブリック(同渋谷区)を買収し、2ブランドで追撃する態勢を整えた。ファブリックの堀井翔太最高経営責任者は24日の説明会で、「フリマアプリは使い勝手に大きな差はなくなっているが、今後は決済などの分野で差別化したい」と抱負を述べた。

 インターネットを通した売買では「オークション」の印象が強いが、手軽さが受けてフリマの市場拡大が続いている。

 ファブリックは、10月に販売手数料無料化に踏み切り、テレビCMなどマーケティングも強化。10月の取扱高は前月比で66%増となり、11月も同じペースでの拡大が続き、2カ月でほぼ倍増しているという。

 フリマアプリを運営する各社は取扱高を公表していないが、2位ラクマ、3位フリルが同じグループに入り、首位のメルカリを追う構図とみられる。楽天は楽天市場とラクマの連携を強化するほか、ラクマとフリルの相互送客キャンペーンを行うなど、グループの総合力でこの分野を強化している。

 楽天C2C事業部の井上貴文ジェネラルマネージャーは「将来的な統合は見据えているが、フリルが衣料品に強いなどそれぞれの特徴を生かし、両方を成長させる段階にある」と、当面は両アプリを並び立たせる方針を強調した。