ドコモ、楽天などが「ドローン宅配」を千葉で実証実験 車で運ぶより壊れにくい?
NTTドコモと楽天、千葉大発ベンチャーの自律制御システム研究所、千葉市は22日、小型無人機「ドローン」を使用した宅配サービスの実証実験を同市内で行った。政府の規制緩和や、上空での通信性能の確認などを経て、2019年をめどに実用化を目指す。
実験は、千葉市の熊谷俊人市長がスマホで充電池と書籍を注文したという設定で実施。東京都世田谷区の楽天本社からの指示を受け、計400グラムの荷物を搭載したドローンが、稲毛海浜公園内の海岸を離陸。約700メートル離れた場所に無事、着陸した。熊谷市長は「安定していて、車で運ぶより壊れにくいかもしれない」と話した。
実現までには規制緩和に加え、落下した際の地上の安全確保が課題だ。ドローンを開発した自律制御システム研究所は落下時に急減速させるパラシュートを搭載させた。今春、ドローンを使った配送サービスをゴルフ場で試験的に行った楽天は、遠隔監視するシステムや商品を注文するアプリを改良した。
約40キロ離れた楽天本社からの飛行指示を伝えたのは、ドコモのLTEのネットワークだ。同社は物流のほか、農業や防災などに使う構想を打ち出している。今後の実験で上空での通信の継続性などを確認するほか、通信が頻繁に行われたときに、地上の携帯電話のネットワークに与える影響を調べる。
実験はスマートフォンに使われている通信方式「LTE」で行われたが、20年頃には第5世代移動通信方式「5G」が導入され、さらに大容量のデータのやり取りが可能になりそうだ。同社イノベーション統括部の梅沢良夫担当部長は「まずはLTEでしっかりと行う。5Gが使えるようになれば、低遅延や伝送速度アップでさらに利便性向上が期待できる」と話した。
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