途上の機体、米国で夢重ね パイロット志す日本人学生

MRJ初飛行1年

 MRJが試験を行う米西部ワシントン州の空港で、パイロットを目指して飛行実習に励む日本人学生がいる。地元の大学の航空学科に通う山口匠さん(24)は、開発途上の機体に自身の夢を重ね合わせる。

 MRJの試験1号機が同州のグラントカウンティ国際空港に到着した9月28日、山口さんは空港のフェンスに張り付き、着陸の瞬間を見つめていた。頭上を機体が通過した際、エンジン音が小さいことに驚いた。

 横浜市で育った山口さんは4歳のとき、旅行で乗った飛行機から見た夜明けの光景に感激し、パイロットを志した。21歳で渡米。語学学校を経て昨年、空港に隣接する大学「ビッグベンド・コミュニティー・カレッジ」に入学した。航空や農業といった幅広い分野で約2600人が学ぶ。

 目標である旅客機のパイロットに向けては、大学卒業後も貨物飛行などで経験を積まなければならない。道のりは長いが「MRJの操縦席が職場になるかもしれない」と期待を膨らませている。

■海外勢と競争激化 開発難航、計画に遅れ から読む