海外勢と競争激化 開発難航、計画に遅れ

MRJ初飛行1年

 国産初のジェット旅客機MRJの試験機が初飛行してから1年が経過した。三菱航空機(愛知県豊山町)は日米で飛行試験を重ねるが、開発は難航し計画に遅れが出ている。海外勢も次世代機の投入を急ぎ、競争が激しさを増してきた。

 1年前に愛知県で初飛行を果たした試験1号機は今年9月、米西部ワシントン州のグラントカウンティ国際空港に到着。今後も3機が環境の整った米国に渡り、計2500時間必要とされる飛行試験を加速する計画だ。同社は昨年12月、主翼の強度が基準に達していなかったと発表。試験項目も増やしたことから納入時期については4度目の延期を決め、平成30年半ばとした。今年9月末には納入先の航空会社に、技術面の課題からさらに遅れる恐れがあると通知した。

 30年にはブラジルの小型旅客機大手エンブラエルが同じエンジンの新型機を投入予定。燃費性能で肉薄される上、MRJの延期が現実になれば納期は追い抜かれる。

■海外2陣営、一歩も引かず 小型機で競合 へ続く