MRJ、米国での飛行試験スタート 「順調、うれしく思っている」
三菱航空機(愛知県豊山町)が開発を進める国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)が17日(日本時間18日)、米西部ワシントン州の空港で初めて飛行試験を実施した。同社が明らかにした。環境が整った現地にさらに試験機3機を投入する計画で、安全性認証の取得に計2500時間必要とされる試験を加速させる。
MRJの試験1号機は現地時間17日午後1時20分ごろ、米国での試験拠点とするワシントン州のグラントカウンティ国際空港を離陸。飛行できる速度や高度をテストした後、午後4時40分ごろに同空港に戻った。
この空港には複数の滑走路が備わり、年間の晴天率も約9割に上ることから、日本よりも効率的な飛行試験が可能となる。三菱航空機は「順調に飛行試験を開始することができ、うれしく思っている」とのコメントを出した。ただ、設計変更が必要になり納期が遅れる恐れも出ており、販売への影響が懸念されている。
1号機は9月末に日本を飛び立ち、米国に到着していた。燃費など基本性能をテストする2号機と、内装関連を受け持つ4号機は愛知県営名古屋空港で飛行試験中。3号機は近く初飛行する予定で、これらの3機は今後米国に渡る。5号機は国内に残って自動操縦などの試験を進める。
日本時間18日には愛知県がワシントン州と、航空宇宙産業など幅広い分野で交流を促す覚書を締結。名古屋空港とグラントカウンティ国際空港も姉妹空港提携を結んだ。
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