「iPhone7」7日発表へ 薄型化し高機能カメラも 大型改良は来年の「8」か
【ワシントン=小雲規生】米アップルは9月7日午前10時(日本時間8日午前2時)から、サンフランシスコ市内で毎年恒例の新製品発表会を開く。アップルは発表内容を明らかにしていないが、スマートフォンの新製品「iPhone(アイフォーン)7」と「7プラス」が発表されることが確実視されている。米メディアでは7シリーズでは薄型化やカメラの高機能化が進むとの見方がもっぱらだが、今回の改良は小幅で、2017年には大型改良を加えた新機種「アイフォーン8」が発売されるとの観測も出ている。
米メディアのこれまでの報道によると、7シリーズでは3・5ミリイヤホンジャックがなくなるもよう。アップルはこれに代わって、充電などに使うライトニング端子やワイヤレス規格に対応したイヤホンを推奨するようだ。イヤホンジャックをなくすことで本体の薄型化を進め、防水性能も高まるとみられている。
また7シリーズでは従来のアイフォーンの下部にあったホームボタンが物理式から感圧式に変わるとも報じられている。こちらも物理ボタンの部品をなくすことで、本体を薄型化できるメリットがあるという。
一方、画面の大きさは6シリーズとほぼ同じだとみられている。製品ラインアップでは、データなどを記録するメモリの容量が最も小さい16ギガバイトのモデルを廃止。32ギガバイトからの品ぞろえにする。16ギガバイトモデルはすぐに容量がいっぱいになってしまうとの不満が出ているためだ。
またカメラ機能では、本体のサイズが大きい「7プラス」には3つ目のカメラが内蔵されるとみられている。現行モデルは背面側のカメラと、自撮り用のカメラの2種類だが、背面側により望遠の撮影が可能なカメラが追加されるという。またサイズが小さい「7」でも高画質化などの改良が加えられるもようだ。
さらに7日の発表会では、投入から1年半がたった腕時計型端末「アップルウオッチ」のモデルチェンジも発表されるとみられている。デザインに大きな変更はないものの、衛星利用測位システム(GPS)を内蔵し、ジョギングなどの走行データを記録する際でもアイフォーン本体を携帯しなくてもよくなるという。
一方、アップルはこのところ2年に1度のペースで、アイフォーンの大型モデルチェンジを行ってきたが、前回の「6シリーズ」投入から2年目にあたる今年の新商品の変更点は小幅になるとの見方が大勢だ。米メディアでは、アップルが初代が発売された07年から10周年にあたる17年に大型モデルチェンジとして「アイフォーン8」を発売するとの観測も広がっている。この新製品では瞳の虹彩の模様で個人認証を行う機能や、本体側面まで湾曲した画面が採用されるとの報道も出ている。
7月に発表した16年4~6月期決算で、アイフォーンの世界販売台数が2四半期連続で減少した。アイフォーンはアップルの売上高全体の6割前後を占める大黒柱なだけに、新製品投入のタイミングにも頭を悩ませているようだ。
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