大きいセブンイレブンとの開き、1日15万円の売上げ差 統合効果急ぐユニー・ファミマ
1日発足した新会社「ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)」は、コンビニエンスストア事業では、国内店舗数で業界首位のセブン-イレブン・ジャパンに匹敵する規模となり、仕入れや物流のコスト低減、商品開発力の強化につながりそうだ。ただ、1店舗当たりの1日平均売上高はセブンとファミリーマートの間で約15万円の差があることに加え、懸案の総合スーパー(GMS)の改革も道半ばだ。新会社のトップに就任した上田準二社長の手腕が早速問われることになる。
「長年、一緒にやりませんかと話をしてきたので、経営統合ができたのはとてもうれしい」。同日、報道陣の取材に応じた上田氏は感慨深げにこう語った。
新会社傘下のコンビニエンスストアの国内店舗数は単純合算で約1万8000店。約1000店が閉鎖や移転の対象となっているものの、約1万9000店で首位のセブンに一気に近づくことになる。
上田氏も統合のメリットについて、「規模と質はイコールだ」と強調する。コンビニ事業では規模のメリットを活用し、コスト削減だけでなく、食品メーカーを巻き込んだプライベートブランド(PB、自主企画)商品の共同開発などで商品の質を向上させ、顧客の支持を得る狙いだ。
コンビニに対し、統合前から課題となっているのがGMSだ。上田氏はGMSについて、コンビニと相乗効果が出る仕組みを構築するほか、地盤とする東海地方中心の「地域密着型」の店に生まれ変わらせるとするが、具体策は示せないままとなっている。まずは、傘下のGMS215店のうち36店を閉鎖した上で、食品中心の品ぞろえへの転換で集客を図り、収益を改善させる考えだ。
ただ、一部店舗の閉鎖や食品中心の店づくりは、他の流通大手でもGMSの改革として既に取り組まれており、目新しいものではない。改革が遅れれば、さらなる店舗閉鎖に追い込まれる可能性もある。
経営統合を機に、コンビニ事業のさらなる成長とGMS改革を限られた時間で迅速に進められるかが、競争が激しさを増す流通業界での同社の立ち位置を決めることになる。(永田岳彦)
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