機械CADの人材育成支援 豊橋設計など、ミャンマーで講座開講へ

 
マンダレー工科大学で開講している日本語のクラス。12月からは新たに機械CAD講座も始まる

 機械設計や電気電子設計、ソフトウエア開発などを手掛ける豊橋設計(愛知県豊橋市)と、ミャンマーで日本企業の進出・人材紹介・就職支援を手掛けるジェイサットコンサルティング(ヤンゴン)は、マンダレー工科大学で新学期の12月から機械CAD(コンピューター利用設計システム)講座を開講する。機械CADを扱える人材の不足を解消するためエンジニアを育成し、ミャンマーに進出した日系企業、日本国内の企業への就職を支援する。

 在校生のうち希望者の中から選抜して受講者を決める。豊橋設計の現地法人で働くミャンマー人エンジニアが講師となり、オリジナルテキストを用いて平日の授業終了後に開講。基礎、実務を中心とした計200時間の授業を行う。

 豊橋設計は日本で3D(3次元)CADを用いた求職者支援訓練の実績がある。ジェイサットコンサルティングは大学側との調整など授業全体を管理し、パソコンなどハードウエアやネット回線を提供する。マンダレー工科大学のシンソー学長は、ミャンマーエンジニア協会理事で、全国に機械CAD技術を普及させる推進役になるという。

 講座では機械CADの中でも、2D(2次元)と3Dの両方に対応できる人材を養成する。日本では現在、ほとんどの大学、専門学校で3DCADで授業を行っているため、若いエンジニアは製造現場で使う、2D図面(平面図)が読めなくなっている。マンダレー工科大では2D図面を理解し、3DCADを操作できる技術を身に付けさせる。このため授業では2D図面から3Dモデル、3Dモデルから2D図面への展開ができる人材を育成する。

 豊橋設計は工場に導入するロボットや大型プラント配管のほか、造船所や製鉄所などの設備設計を手掛けている。2013年にミャンマーへ進出し、現地の新卒者を雇用して教育し、日本の業務の一部を請け負っている。日本国内で機械CADエンジニアが採用難になっていることから、日本本社で勤務しているミャンマー人エンジニアもいる。

 豊橋設計の内山幸司社長は、ミャンマーでの機械CAD教育について、「将来的に当社が保有する機械設計eラーニングも活用し、ミャンマー国内の工科系大学に展開していく」考えだ。