「艦これ」登場3年…人気は衰えず イベントに飲食施設、フィギュアに映画

 
「劇場版 艦これ」は11月26日公開 (C)2016「劇場版 艦これ」連合艦隊司令部

 2013年の登場から3年。ブラウザゲームの「艦隊これくしょん-艦これ-」は、スマートフォン向けゲームが続々と登場して来た中で、依然として高い人気を誇っている。横浜市で開かれた「艦これ」の世界を楽しんでもらうイベントは、5000人近く入るホールが2回の公演とも満席になる賑わいを見せ、横須賀市にオープンした「艦これ」の飲食施設にも、連日行列ができている。艦娘(かんむす)と呼ばれる登場キャラクターのフィギュアも、新作が続々と登場。11月26日に決まった映画「劇場版 艦これ」の公開に向けて、これから一段の盛り上がりを見せそうだ。

 8月7日にパシフィコ横浜で開かれた第参回「艦これ」観艦式。赤城という艦娘を演じる声優の藤田咲さんと、加賀役の井口裕香さんが登場して始まったイベントは、赤城が紹介する形で艦娘たちが次々に登場し、自己紹介をする形で進行。マイク前に立った5人が、1人で何人もの艦娘たちをその場で演じ分ける“技”を見せてくれた。

 最初に紹介された艦娘は総勢28人。これだけに止まらず、以後も声優たちが登壇しては、何人もの艦娘を演じてみせるパートが続いて、人気の高い艦娘の紹介で歓声が上がる場面もあった。総勢15人に及ぶ出演声優が全員でステージに立ち、ゲーム内で繰り広げられる戦闘を再現するコーナーでは、進行の判断を、来場していたファンたちが手に持ったペンライトの色で示す場面も。ステージと観客席が一体になって、ゲームをプレーしている雰囲気を作り出していた。

 歌のコーナーも充実していた。井口さんが加賀として「加賀岬」を熱唱し、テレビアニメーションとして放送された「艦隊これくしょん-艦これ-」のエンディングテーマ「吹雪」を西沢幸奏さんが歌い、声優の佐倉綾音さんが艦隊のアイドル、那珂の姿で「恋の2-4-11」を披露して、ゲームやテレビアニメを楽しんできたファンに答えていた。フィナーレでは、15人の声優と西沢さんの総勢16人が横に並んで、イベントの感想や「艦これ」にかける思いなどを話すなどした

 ファンサービスに止まらず、新しい展開も発表された。KADOKAWA代表取締役専務の井上伸一郎氏が登場し、ゲームの夏イベントが8月12日から始まることを明かして、ファンの挑戦意欲を誘っていた。イベントの最後には、アニメーション映画となる「劇場版 艦これ」の全国公開日が11月26日になると発表され、上映された予告映像の今まで見たことがなかったシーンに、ファンの目が釘付けになっていた。

 リアルな世界で「艦これ」を体感できる展開は、このイベントだけではない。ナムコ(東京都港区)とバンプレスト(同)は7月28日、シダックスグループのシダックストラベラーズコミュニティー(東京都調布市)と連携して、横須賀市に公式飲食施設「酒保伊良湖(しゅほいらこ)」をオープンした。夏休み中ということもあって、連日のように訪れたファンで賑わっている。

 横須賀中央駅から徒歩5分ほどに立地し、記念艦三笠が公開されている三笠公園方面へと向かう途中にある「酒保伊良湖」。ゲームでは給糧艦としてプレーヤーを癒やしてくれる艦娘の伊良湖をモチーフにした店で、昼間はデザートや軽食、夜は食事やアルコール類を楽しめる。

 「艦これ」とコラボレーションした店では、8月31日までの期間限定で、ナムコが東京・秋葉原に8月31日まで開いている「『艦これ』×一番カフェ『秋葉原泊地』艦娘だらけの海の家」がある。「酒保伊良湖」はこれとは違って、終了時期を決めないで当面の間運営していく予定だ。

 昼と夜とで店の内容やメニューを変えており、午前11時から午後4時は、デザートや軽食を提供するカフェ形態の「甘味処伊良湖」となり、「横須賀鎮守府カレイライス」セットや、店名となっている伊良湖にちなんだ「伊良湖のあんみつ最中」などを出す。午後5時から午後11時までは、フードの他にアルコール類もたしなめる「伊良湖食堂」として運営。それぞれの艦娘に設定されている誕生月に合わせたイベントや、限定グッズの販売も行って、リピーターを引きつける。

 7月24日に幕張メッセで開かれた、ガレージキットなど造形物の祭典「ワンダーフェスティバル2016[夏]」にも、「艦これ」関連フィギュアが並んで人気のほどを伺わせていた。

 セガインタラクティブ(東京都大田区)では、プライズとして「艦これ」関連を揃えて展示。グッドスマイルカンパニー(東京都千代田区)とマックス・ファクトリー(同)の合同ブースにも、主に両社が出している「艦これ」関連フィギュアがずらりと並び、実物を見たり、写真に収めたりしようとするファンで長い行列が出来ていた。

 フィギュアブランドのAMAKUNIやキューズQ、青島文化教材社なども「艦これ」関連のフィギュアを展示。「大井改二」や「摩耶改二」といったゲーム内で次々にバージョンアップされていく艦娘たちをフィギュアにして送り出していた。