トヨタの自動運転技術を体験 合流や車線変更、想像以上の安定感

 
トヨタ自動車の実験車で高速道路で自動運転中にハンドルから手を離すドライバー=6日、東京都江東区有明周辺

 トヨタ自動車は6日、2020年ごろの実用化を目指す自動運転技術を公開した。高速道路で先行車両に追従するだけでなく、合流や車線変更なども可能にした。記者が助手席に乗って体験したが、想像以上に安定した走行に驚かされた。

 「自動運転に入ります」。運転手は首都高速道路に入り、ハンドルの走行モード切り替えボタンを押すと両手を離した。両足もペダルから外すが、実験車は目的地に向け走り続けた。

 同乗したのは東京都江東区周辺の「有明」から「福住」の両インターチェンジ間の約8キロ。自動走行を始めて早速、ナビの音声が「合流します」と案内。緊張に身を固くしたが、自動で方向指示器がつくとすんなりと本車線に入った。

 あっけにとられた記者にトヨタの担当者は「車体の前後左右に計11個のレーダーなどを搭載し、ほかの車両や車線を検知して最適な走行をするんです」と説明。その後も基本は法定速度で左車線を走行しつつ、地図情報を基に急カーブ前には減速し、約10分間の体験中に危険を感じることはなかった。「実用化には課題がある」(担当者)というが、高速道路に“両手放し”の運転手があふれる未来は近いと実感した。(会田聡)