買収資金の半分程度を中国銀行が提供するほか、双匯としてはスミスフィールドが築いてきた衛生管理技術も欲しているとされる。
英誌エコノミスト系シンクタンク、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)によると、米国は生産能力や技術面で世界でも最も食品の安全が保証されているが、中国は42位にとどまっている。
中国国内における、疫病の発生防止技術の開発は中国の国策。同技術を自社開発するよりは、買収によって手に入れたほうが手っ取り早いというわけだ。
ただ、豚肉の生産・加工技術が中国に流出し、豚肉の供給を左右することになれば、「米国にとって脅威になりうる」との懸念が米議会には根強い。
同社の買収問題は日本にとっても無縁ではない。日本は米国の豚肉の主要な輸出先であるからだ。(敬称略)