2014.10.2 09:35
御嶽山(おんたけさん、3067メートル)噴火による犠牲者のひつぎを遺体安置所から車に運び込み、手を合わせる関係者。火山活動による犠牲者数では戦後最悪となった=2014年10月1日午後3時55分、長野県木曽郡木曽町(共同)【拡大】
47人が犠牲になる戦後最悪の火山災害となった。御嶽山(おんたけさん)の噴火から5日目の1日、山頂付近で心肺停止の状態のまま取り残されていた登山者35人が次々と麓に搬送され、全員の死亡が確認された。夜にかけては犠牲者の身元が相次いで判明。仮設の遺体安置所となった旧校舎では、多くの遺族や友人らが大切な人と無言の対面を果たし、悲痛な空気が広がった。
元気で明るい子
死亡が確認された東京都中央区の会社員、上方(かみかた)麻衣さん(31)。「元気で明るい子だった。戻ってきたとき、どんな顔で迎えればいいのか…」。北海道大空町の実家に住む母親は電話取材に対し、声を震わせながら話すのがやっとだった。
山に入る約1週間前、電話で話したのが、家族と最後の会話になった。直前まで旅行していたベトナムのことなどを父親の敏浩さんに楽しそうに話していた。敏浩さんは、すでに現場に向かったという。