2014.10.2 09:10
雲仙普賢岳被害上回る
直径10センチを超える噴石が時速300キロ近い猛烈な勢いで降り注いだ-。長野、岐阜両県にまたがる御嶽山(おんたけさん)の噴火で、長野県警が9月30日までに死亡が確認された12人を検視した結果、いずれも損傷死と判明した。多くは噴石が頭や首、体を直撃したことによる外傷性ショックなどが原因とみられる。長野県警は1日、新たに35人の死亡が確認されたと発表、これまでの判明分と合わせて死者は計47人となった。重軽傷は69人。国内の火山災害としては、1991年に行方不明者を含め43人が犠牲となった長崎県の雲仙普賢岳を上回り、戦後最悪の被害となった。
東京大地震研究所の分析結果によると、今回の噴火で飛散した噴石は火口から少なくとも1キロ離れた地点まで飛んだ。頂上の御嶽神社周辺では、直径10センチ以上の噴石が時速300キロ弱で降り注いだとみられる。分析を行った東京大地震研究所の金子隆之助教(火山地質学)は「直撃すれば相当の衝撃だっただろう」と話している。