2014.9.29 09:30
「命があるだけで本当に…」。長野・岐阜県境にある御嶽山(おんたけさん)で起きた噴火は一夜明けた29日、31人の心肺停止という甚大な被害が確認される一方、次々と登山者たちが救出された。山頂付近は硫黄濃度が高まる危険な状況だったが、自衛隊や警察、消防による懸命の救出活動が続いた。
みんな一緒で不安なく
山頂から北に2キロの岐阜県側の山小屋「五の池小屋」(標高2798メートル)にとどまり、眠れぬ一夜を過ごした登山客26人が28日午前9時15分ごろ、立ち上る噴煙を背に、岐阜県下呂(げろ)市の濁河(にごりご)温泉近くの登山口に次々と到着した。医師による簡単な健康チェックを受け、市が用意したバスに乗り込み、近くの施設に向かった。
一様に疲れ切った様子で、その場に座り込む人の姿もあった。登山服やマスク、靴などは白っぽい灰にまみれ、くすんでいた。26人のうち、3人が高山赤十字病院(岐阜県高山市)に搬送され、このうち女性1人は鎖骨を折る重傷で出血もあり、登山道から直接、岐阜県警のヘリで運ばれた。