ネパール観光省のディペンドラ・パウデル氏は20日、カトマンズでメディアの取材に「18日に12人、19日に1人の遺体を雪の中から収容した。救助ヘリコプターが出動し、これまでに7人を雪の中から救助したが、まだ3人が埋まっているとみられる。天候が悪く、捜索・救助活動は難航している」と語った。
アイスフォールは、文字通り氷の滝のように氷塊が山の斜面から滑り落ちて集積した地点で、深いクレバス(割れ目)が多く、標高は6000メートルに満たないが南東稜ルートで最も危険な難所とされる。通常、登山専門の旅行会社と契約しているシェルパたちはハイシーズンを前に毎年、クレバスにアルミ製のはしご状の橋をかけたり、ロープを架設したりして登山ルートの工作・整備を行う。
「これが私たちの仕事」
事故当時は、約60人のシェルパがルート工作を行いながらキャンプ1に向かっていた。助かった26歳の男性シェルパは米CNNに「不気味な音が聞こえると思ったら、轟音に変わり、大きな氷の塊が天から降ってきた。もうダメだと思ったが、ロープで体を結んだ助手と共に氷の陰に隠れて奇跡的に雪崩をしのげた。私たちは先頭の方にいたからそれができた。後続のグループも何とか助かったが、その後ろの人たちは死亡した」と話した。