□『だから中国は日本の農地を買いにやって来る TPPのためのレポート』
■「イナゴの大群」にどう対応
いまや世界的な話題だからご存じの読者も多いだろうが、具体的な実態はマスコミでほとんど報じられない。著者の河添さんは強いフットワークを活(い)かして世界各地に突撃取材を敢行し、中国人の不動産買いの現場を本書で克明にリポートする。
日本では最初、中国人の金持ちがマンションを購入し始め、やがて香港のダミー会社を通してリゾート、別荘地を猛烈に取得した。最近は東京五輪へ向けて不動産価格の高騰を狙い、お台場を中心に都心ばかりか関東近郊のマンションを物色、この中国人の凄(すさ)まじい買いっぷりが影響してか都内不動産価格は3割近く高騰した。
そして悪名高き温州投機集団が都内で不動産展示会を開催して話題となった。今月には日本浙江総商会(在日県人会のような社団法人)が東京で結成され、鳩山由紀夫元総理も祝辞に駆けつけた。浙江省といえば、商売の旨(うま)い浙江商人の本場、その中核が世界中の不動産投機で知られる温州投機集団である。この団体には今後注意が必要だろう。