【著者は語る】作家・童門冬二氏 「50歳からの勉強法」 (1/2ページ)

2013.12.21 05:00

 ■対象を絞り込み、自分の鉱脈を掘り下げる

 私は51歳で都庁を退職してサラリーマン生活に終止符を打ち、56歳で『小説 上杉鷹山』というベストセラーを出版しました。そして、86歳になった今も執筆活動を続け、テレビなどのメディアにも出演しています。このようなことから『50歳からの勉強法』というテーマで本を書くことになりました。

 孔子は「50歳にして天命を知る」と言っています。確かに人生を「起」「承」「転」「結」と4つに区切れば50歳は既に己の行く道筋をはっきりと頭に描き、死という終わりに備える「結」に入る年齢なのかもしれません。しかし、人生が80年以上になった今、「もはや人間の一生に『結』などなく、あるのは『転』だけだ」と私は思っています。

 そして、「起承転々」の日々を支えるのは知識や教養を高めるための「勉強」であるのです。

 最近、新聞社の取材を受け、私が50代だった30年ほど前の写真をお見せしたのですが、記者の方は「昔とほとんど、お変わりになりませんね」と言ってくださいました。知的な好奇心や探求心を満たそうとしてきたことが多少なりとも私に若さを与えてくれているのかもしれません。

 50歳を超えての勉強法で大事なことは「絞り込むこと」だと私は考えています。それまで蓄積した知識や人脈を整理することで本当に己の血肉となる情報や人脈も明らかになってくる。

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