「名前は漢字を使って付ける。漢字は長い歴史のある、そしてこれからも長く使われる、日本人にとっての公共財だ。公共財を使う以上はルールを守るのは当然だ。名付け相談の際に『その漢字の読み方は間違っていますよ』と指摘すると『私はそう読ませます』という人がいる。文字の読み方を個人が変えていいと考えるのは不遜で傲慢なことだ。ルールを守らないのが個性だと勘違いしている人がいるが、そういう思いが親から子に伝わってしまったら大変だ」
--ユニークな名前が花盛りだ
「自分の子供をおもちゃにしているとしか思えないような乱暴な名付けが増えている。学校の中で自分の名前が呼ばれるのを嫌う子供は少なくないと聞いている。その子が大人になったとき、厳粛な席で名前を呼ばれることで失笑を買ったりしたら、精神的に傷つくことになるだろう。変わった名前を付けることは個性を重視する新しい風潮だと思い、自分の子供にも、と考える人が多いようだが、無抵抗な赤ちゃんに問題のある名前を付けるのは残酷なことだ」
--いつごろから増えたのか