キラキラネームとDQNネームの境界線 有識者の意見も賛否両論 (2/6ページ)

2012.8.11 16:05

牧野恭仁雄氏

牧野恭仁雄氏【拡大】

  • 小林康正氏

 --具体的には?

 「90年代に登場した『たまごクラブ』などの妊婦向け雑誌は、膨大な新生児名を集積し、データベース化して提供した。難読のものも少なからず含まれる人気名を多数参照し、そこからさらに少しずらすことで、個性的な名付けが容易に実現できるようになったが、難読化も進行することになった」

 --親の自己満足や教養欠落の露呈として批判も多い

 「奇抜な名前は親の社会階層の低さと関連していると言われるが、学問的に証明された説とは言い難い。何をもって“DQN(ドキュン)ネーム”とするかの基準もない。批判にも一定の意味はあるが、どういう名前にすればいいかの建設的な提言がなく、名付けに悩む親には届きにくいだろう」

 --読めない名前は不便で、いじめなどの不利益を招くのでは?

 「今後そうした名前が多数派になれば、不利益を被ることも少なくなっていく。社会生活上もっぱら使われるのは姓であり、名前の重要性は高くない。逆に覚えてもらいやすいなどのメリットもある。そもそも大正から昭和後期という過去半世紀あまりが、読みやすい名前が非常に多かった例外的な時代だったので、他人の名前は読めるのが当たり前だとみな思い込んでいただけだ。日本史をさかのぼってみると、そうした時代は一般的ではない。今は過渡期だ」

日本語の表記システム上、読めない名前は必然的に出てくる

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