理化学研究所が発表した新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文不正問題で、共著者の丹羽仁史(ひとし)・理研プロジェクトリーダーらが7日、STAP細胞の詳しい検証計画を公表。疑惑浮上後、研究メンバーとして初めて会見した丹羽氏は、当初は揺るぎないとしてきたSTAP細胞の存在について「あくまで一つの仮説。予断のない状況から自分の目で見極めたい」と述べ、白紙の状態から検証する考えを明らかにした。
丹羽氏は幹細胞の専門家で、論文の構成やデータについて助言する立場だった。「(不正を)防げたのか、難しかったのか、常に自問自答している」。検証実験は共著者の一人として「責任を果たす手立てだ」と強調した。小保方晴子・研究ユニットリーダーが調査委員会に対し「細胞の発見自体が捏造(ねつぞう)と誤解されかねない」と反論していることについて「気持ちは分かる」と述べた。
会見した理研の丹羽仁史氏、相沢慎一氏との主なやりとりは次の通り。
--STAP細胞の研究にどう関わったのか
丹羽氏 「平成25年1月に参加した。論文の構成やデータが適正に表現されるように助言した。実験はしていない」
--3月5日に発表したSTAP細胞の詳細な作製法では丹羽氏が責任著者となっているが
丹羽氏 「STAP論文の補足情報を提供した。再現できないとの情報を分析すると、そこには理由があった。一から十まで検証ができていたわけではないが、研究者の間で情報が足りないという状況があり、それを見過ごすことはできなかった」