石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は27日、海洋資源調査船「白嶺(はくれい)」を同機構船橋基地(千葉県)で報道陣に公開した。来月3日には、日本最東端の南鳥島周辺で海底地層「コバルトリッチクラスト」を調査するため出港する。日本近海の海洋資源開発を担う「フラッグシップ(旗艦)」として2014年度もフル稼働が続く見込みだ。
12年に完成した白嶺は水深2000メートルの海底に到達した後、さらに地下400メートルまで掘り進むことができるボーリング装置を搭載。一定の悪条件下でも元の場所から1~3メートルの範囲内にとどまる能力を持つなど「海洋資源の調査に最適な能力」(JOGMEC)を誇る。
4~6月には、ハイテク機器に用いられるコバルトやニッケルなどレアメタル(希少金属)を多く含むコバルトリッチクラストを調査する。JOGMECは今年1月、南鳥島沖約600キロの公海に位置する計3000平方キロメートルの鉱区の独占探査権取得で国際海底機構と契約。14年度は南鳥島周辺の調査を進め、15年度に独占探査権を得た鉱区の調査に着手する。JOGMEC金属資源技術部の塩川智部長は「将来の事業化に向け、着実に調査を進める」と強調した。