JR九州は10日、東京証券取引所などへの上場後初めての決算発表となる2016年9月中間連結決算を公表した。4月発生の熊本地震で一部路線での運転を見合わせたことなどが響き、売上高は前年同期比8.9%減の1720億円、最終利益は6.2%減の199億円だった。
ただ、赤字が続き経営課題だった鉄道事業は、150億円の営業利益を確保した。JR九州は17年3月期で1987年の発足以来で初となる通期での鉄道事業の黒字を見込んでいる。
上場前に、国から与えられていた経営安定基金3877億円を取り崩して、九州新幹線の施設使用料の一括支払いなどに充てたことで、運営コストが下がったことが寄与した。青柳俊彦社長は記者会見で「18年度までの中期経営計画を達成するための着実な一歩になった。(鉄道事業でも)経費削減をさらに進める」と述べた。