北陸新幹線の福井県・敦賀-大阪の延伸ルートをめぐり、滋賀県が公表した独自の試算結果が波紋を広げている。試算では候補としてあがっている3ルートのうち、滋賀県が推す米原駅(同県米原市)で東海道新幹線とつなぐ「米原ルート」が最も費用対効果が高いとの結果になった。これに対し、他のルートを支持する京都府と福井県は猛反発。京都府は滋賀県に対し、副知事がメールで抗議文まで送付した。今月末には、国土交通省が3ルートについて建設費などの試算をまとめる予定で、議論の行方が注目される。
米原ルートが優位?
「米原ルートの実現に向けて、より一層力を入れ、説得力を持って取り組んでいきたい」
9月23日、滋賀県の三日月大造知事は県議会で試算結果を提示した後、記者団に力強く語った。
米原ルートを支持する県は今年度の予算に、北陸新幹線敦賀以西の開業を見据えた「ケーススタディー調査」として3千万円を計上。外部のシンクタンクに委託して、過去の新幹線整備事例の分析やシミュレーションなどを行ってきた。