経営再建中のシャープの2016年3月期連結決算で、最終損益の赤字がこれまでの2000億円から3000億円規模に広がる見通しとなった。主力の液晶や太陽光パネル事業が低迷した上に、工場設備や在庫の評価損が膨らむためだ。
3月末時点で債務超過に陥ったとみられる。連休明けの12日に決算を発表する。
巨額損失の計上は15年3月期の2223億円に続き2年連続。シャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業から3888億円の出資を受け立て直しを図る方針。業績の「V字回復」を目指したい鴻海側の意向もあり、利益の出やすい体質をつくるために損失処理を一気に進める。
液晶事業は、販売量が落ち込み、価格も下落した。パネルを供給する米アップルのスマートフォンの販売減速もあり、業績の下振れに拍車を掛けているもようだ。
白物家電や複写機などの他の事業も、中国市場で販売が減速している。