KDDI(au)は20日、来年4月の電力小売りの全面自由化に合わせて、電力小売り事業に参入すると発表した。沖縄や一部離島を除く全国で各地域の電力会社と提携して通信料金と電気料金のセット割引を行う。携帯電話事業者で通信と電力のセット販売を発表したのは、東京電力との提携で基本合意したソフトバンクに次いで2社目。KDDIは同日、資源エネルギー庁に小売り電気事業者への登録を申請した。
端末や通信環境に差が少なくなったことから、携帯事業者を変更する利用者は少なくなっており、KDDIは割安なセット料金を提供する「auでんき」で、全国の既存のau利用者約4400万人の囲い込みを図る考えだ。
KDDIは携帯電話や光回線などの通信事業に加えて、約2500店舗のauショップを活用した物販事業を始めるなどネットとリアルの融合を進めており、電力と通信のセット割引の営業でもauショップを活用する。
具体的なセット割引のメニューは来年1月の予約開始まで詰める。既存の大手電力会社のほか新電力とも提携して全国で電力を供給するが、自ら発電事業は行わない方針だ。