2014.5.12 20:00
インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の世界最大級の取引所マウントゴックス(東京)が、保有するビットコインの大半を失ってから1カ月以上が過ぎた。マウント社は「サイバー攻撃でビットコインを盗まれた」と主張するが、東京地裁は同社の民事再生法の適用申請を棄却。今後破産手続きに移行すれば、コインが失われた経緯が公表されないまま「幕切れ」を迎える可能性も高い。「攻撃」を仕掛けた「犯罪者」が特定できない状況では、管理者に損失責任が問われるが、日々進化するサイバー犯罪に確実な防衛策を講じるのは難しい。
コインは本当に盗まれたのか
「サイバー犯罪と認定されたとしても、どのような手段でネットワークが襲われたかを解明するには、長い時間がかかるかもしれない」。マウント社の事件について、サイバー犯罪に詳しい専門家はこう指摘する。
マウント社は2月28日の記者会見で、ハッカーによる不正取引により保有していた計85万ビットコイン(サイト停止直前レートで約114億6千万円相当)の大半を消失した可能性があり、刑事告訴を検討していると説明。警視庁サイバー犯罪対策課にパソコン(PC)の接続記録などを任意提出した。