コンビニエンスストアが、首都圏を中心に生鮮食品を強化した小型スーパー市場に相次いで参入している。本業のコンビニの出店競争が激化し、新業態で出店にふさわしい新たな立地や客層を開拓するのが狙いだ。高齢化や単身世帯の増加で商圏が縮小する中、これまですみ分けをしてきたスーパーとの競合は避けられない。
「かさばる商品は持ち帰るのが大変。近くでほしいものがそろうのはうれしい」。ゴールデンウイークの4日、横浜市港北区に開店したローソンの小型スーパー「ローソンマート高田東店」。店舗近くに住む女性(85)はこう話し、バナナやジュースを買い求めた。
同店舗の面積は、ローソンの1.5~2倍の約210平方メートル。店頭には、ダイコンやキャベツなどの生鮮食品も並んだ。店から300メートル離れた場所に食品スーパーがあるが、自宅に少しでも近い店を選択する消費者も多い。
ローソンは、100円均一で野菜などの生鮮食品を扱う「ローソンストア100」を展開してきた。今回のローソンマートは、ストア100の商品を軸に価格帯を広げ、2~3人分の食肉や調味料などの品ぞろえを重視した。大人向けのオムツや食器など、コンビニに置いていない商品も取り扱う。公共料金の収納代行やATM(現金自動預払機)など、コンビニならではのサービスを提供する一方、競合するスーパーの動向をにらみ、値引き販売も行う。