ブラザー工業、東京五輪に熱視線 ロス五輪の大転機をもう一度 (1/4ページ)

2014.1.27 06:00

 2020年東京五輪に熱い視線を注いでいる企業がある。ミシン製造で創業し、情報通信機器メーカーに変貌を遂げたブラザー工業(本社・名古屋市)だ。初めてオフィシャルサプライヤーとして協賛した1984年のロサンゼルス五輪が大きな転機になり、今日のブランド確立につながった。「ブランド力向上などの目的を果たした」と92年のバルセロナ五輪を最後に五輪協賛は止めたが、日本での開催となれば話は別。「何らかの形で参画したい」と、眠っていた“五輪の血”が再び騒ぎ始めている。

 設立50周年の記念プロジェクト

 同社は明治41年、創業者の安井兼吉がミシン修理業を創業したのが始まり。修理を通じてなじみ深かった麦わら帽子製造用環縫いミシンを製造、昭和7年には家庭用ミシンの量産化に成功した。

 米国のミシン市場視察をきっかけに家電分野に進出した昭和25年ごろ、米の販売会社からポータブルライターの需要が高まっていると聞き、開発に着手。ミシンや編み機で培ったプレス技術を応用し、36年に情報機器事業の基となる「ポータブルタイプライター」を、46年には世界初の高速ドットプリンターも発売した。

ちょうど製品の移行時期。経営陣の悲願が、米国でのブランド確立だった

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