流通大手のイオンとセブン&アイ・ホールディングス(HD)の2013年3~11月期連結決算が10日、出そろった。売上高にあたる営業収益は両社とも増収を確保したが、8月に子会社化したダイエーの不振などで最終減益だったイオンに対し、セブンが増益を確保し明暗が分かれた。
イオンの営業収益は前年同期比11.8%増の4兆6211億円で3年連続で過去最高を更新した。しかし、総合スーパー(GMS)事業の利益が伸び悩んだことなどで、本業のもうけを示す営業利益が4.1%減の948億円、最終利益も46.8%減の199億円だった。
会見したイオンの森美樹副社長は「百貨店は高額品が好調だというが、家計消費にはまだ影響が及んでいない」とした。
一方、セブンHDはコンビニエンスストア店頭での入れたてコーヒーの販売開始で店舗売上高が増加。営業収益は13.8%増の4兆1865億円で、営業利益が15.1%増の2491億円、最終利益が32%増の1280億円といずれも過去最高だった。
消費税増税に伴う影響が懸念されるが、流通大手は「趣味やこだわりにお金を使って、それ以外は合理的な消費をする二極化が顕著になる」(イオン)とみる。そこで、プライベートブランド(PB、自主企画)商品を強化して消費を喚起する。