だが、「PS4とエックスボックス・ワンの発売が遅れたことで、国内の年末商戦の顔はウィー・ユーとなる。年末からソフトも充実し、テレビCMも増やすなど、販売の立て直しを図っている」(長尾氏)というように、はからずもクリスマス商戦の“主役”に躍り出た形だ。
任天堂は、「Wii Party(パーティー) U」(10月31日)や「スーパーマリオ3Dワールド」(11月21日)、「モンスターハンターフロンティアGビギナーズパッケージ」(12月11日)など、人気ソフトを年末年始に集中的に投入し、巻き返しを図る狙いだ。
ゲーム雑誌「ファミ通」を出版するKADOKAWAの浜村弘一常務によると、海外と異なり「日本は、据え置き型の家庭用ゲーム機より、携帯ゲーム機が強い特殊な市場」だ。平成25年度上期(4月1日~9月29日)に国内で売れた家庭用ゲーム機は291万7501台。このうち携帯型の「ニンテンドー3DS」や「PS Vita(ヴィータ)」が約8割を占める。
限られた据え置き型ゲーム機の国内市場で、任天堂が“漁夫の利”を得るか、それともソニー、MSの新型ゲーム機への期待が勝るか。年末から年明けにかけて、3社の勢力争いは一段と激化しそうだ。