任天堂の家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」は、15日で発売から30周年を迎えた。世界の累計販売台数は6千万台以上。国内ではほぼ2世帯に1台の割合でテレビゲームを普及させた産業界の“金字塔”だ。
しかし近年は、スマートフォン(高機能携帯電話)向けソーシャルゲームに押され、苦境に立たされている。30年の節目で、任天堂は多様化するゲーム市場で生き残るために、抜本的な改革が求められている。
シビアになった株主総会
「リストラをした方がよいのではないか」
今年6月に京都市内で開かれた任天堂の株主総会。ある株主は語気を荒らげて岩田聡社長らに迫った。ゲームファンが多く、業績よりもゲームの新作などへの質問が多いと評された総会は、営業損失364億円(平成25年3月期連結決算)という2年連続の巨額赤字で一変した。
岩田社長は冷静な口調でリストラを否定し業績の改善を約束したが、「同社で株主がリストラを迫るのは異例」(関係者)と社内で衝撃が走ったようだ。