ただ、民間資金の呼び水となる頼みの綱のJBICの融資再開には「黄信号」がともる。
原油輸入代金との相殺で焦げ付きリスクを減らことで26年ぶりに融資を再開するアイデアを編みだしたが、円借款より金利負担が増える融資の活用にイラク側は乗り気ではなく、8月以降2回の交渉は難航している。
安全優先の社内規定に縛られ、まだ現地では思うように動けない上に警備コストも膨大というが、日本企業は「それでもやるなら今しかない」と受注獲得にかじを切っており、インフラ輸出を成長戦略に据える政府の金融支援にも“総力戦”の覚悟が求められそうだ。(上原すみ子)