DX時代の人材戦略 なぜ事業承継で「リスキリング=再教育」が重要視されるのか (3/3ページ)
リスキリングへの取り組み方
以下に、リスキリングの取り組み方を4段階に分けてまとめている。
Step.1 事業課題や社員の状態をみて、何を習得すべきかを見つける
市場の変化を見据え、事業の課題や社員のモチベーションから、今後会社に必要になるスキルをみつけ、習得すべき内容を決める。
Step.2 スキルの習得方法・取得期限を決める
必要なスキルをオンラインでも習得することができる時代になっており、実際に必要なスキルをどのように習得するか、いつまでに習得するかを決める。
Step.3 実際に社員に取り組んでもらう
社員に実際にリスキリングに取り組んでもらい、経営者・後継者は適時フィードバックをもらい、学んだ内容をモニタリングをする。習得したスキルが事業変革や事業承継後の課題に活用できるスキルかを把握し続けることが重要である。
習得時の初めは、現業との乖離・ギャップに伴い社員にも戸惑いが生まれることは珍しくない。スタッフのチャレンジをモニタリングし、習得度合いを知る必要がある。
Step.4 実際に社員が習得したスキル・知識をもとに現業に変化を与えていく
リスキリングがすぐに成果・業績につながるか否か、実際にチャレンジを行い検証を重ねる。
上記4つのステップのように、リスキリングのPDCAを重ねていくことで、事業承継後の企業の成長・変革に活用していただきたい。
まとめ
リスキリングは、事業承継を行う経営者・後継者の両者にとって無視できない取り組みだ。事業の存続において無視できない業界のトレンドである「リスキリング」。事業承継において、「社員」を承継することも重要な事項である。リスキリングの実施はそうした人材戦略にも影響を与えるのである。
参考
*1「第1回 デジタル時代の人材政策に関する検討会 デジタル人材に関する論点」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/001_03_00.pdf
*2「第3回 デジタル時代の人材政策に関する検討会 今後に向けた取組(案)について」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/003_03_00.pdf
【長寿企業大国ニッポンのいま】は、「大廃業時代」の到来が危惧される日本において、中小企業がこれまで育ててきた事業や技術を次の世代にスムーズにつなぐための知識やノウハウを、事業承継士の葛谷篤志氏が解説する「事業承継」コラムです。アーカイブはこちら