今日から使えるロジカルシンキング

新施策で赤字額が倍に…それでも、なぜ「元に戻す」は絶対に避けるべきなのか (2/2ページ)

苅野進
苅野進

「オンライン疲れ」を物ともしないスタートアップ2社

 広まるかどうかは未知数ですが、「オンラインはやっぱり…」というムードの中で面白い取り組みをしているなと感じたスタートアップを2つ紹介します。

▼デスクを離れたっていいじゃないか! 散歩しながら会議に参加

 私はほぼ毎日オンライン会議があるのですが、ブレストをしたいという場合に画面で顔を見ている状態だとうまく頭が回らないなという感触がありました。うろうろ歩いてみたりしたいなと思っていて、散歩しながらiPhoneで会議に出席してみる工夫をしてみることも。

 そんな中で、私と同じような思いでローンチされていたのが「Spot(スポット)」というサービスです。歩きながらの会議を実現するプラットフォームで、サービスのトップ画面に”try a walking meeting with Spot”(Spotでウォーキングミーティングを試しませんか?)という文字を見た時には心が躍りました。

 このアプリは、会議参加中も、参加者の顔を映し出すことはあえてしません。また、スケジュール登録のほか、会議内容の録音や文字起こしもしてくれます。アルゴリズムによって人の話し声と認識した周波数の音を増幅し、周囲の騒音など“その他の音”を抑える機能もあります。私は特に、会議中もワンタッチで「個人用メモ」と「自動共有メモ」が出せて記入できるところが便利だと思います。

 Spotは決して画期的ではないけれど、かゆいところに手を届けようという心意気が伝わってくるものでした。

▼コロナ禍の中で…現地コンダクターが視察先を動画中継

 また、「オンライン商談は厳しいな」「やはり出張して対面してこその商談だ」という評価が増えてきているなかで出てきたのが、海外出張代行サービスの「TRAVEL MEET(トラベルミート)」 です。「『現地に行けない』を解決します」というコピーで、出張したい先に住んでいるツアーコンダクターが動画中継しながら展示会や商談会、現地視察などに代行参加してくれます。

ストレスや焦りの中で「非効率な選択」をするクセを理解しよう

 私たちはストレスの高い状況になるほど、反射的に「効率の悪い」選択肢に飛びついてしまう可能性があります。「以前は良かった」と考えてしまいがちな「心のクセ」を理解して、モレなく、ダブりのない選択肢を洗い出す力を身に付けて欲しいと思います。

苅野進(かりの・しん)
苅野進(かりの・しん) 子供向けロジカルシンキング指導の専門家
学習塾ロジム代表
経営コンサルタントを経て、小学生から高校生向けに論理的思考力を養成する学習塾ロジムを2004年に設立。探求型のオリジナルワークショップによって「上手に試行錯誤をする」「適切なコミュニケーションで周りを巻き込む」ことで問題を解決できる人材を育成し、指導者養成にも取り組んでいる。著書に「10歳でもわかる問題解決の授業」「考える力とは問題をシンプルにすることである」など。東京大学文学部卒。

【今日から使えるロジカルシンキング】は子供向けにロジカルシンキングのスキルを身につける講座やワークショップを開講する学習塾「ロジム」の塾長・苅野進さんがビジネスパーソンのみなさんにロジカルシンキングの基本を伝える連載です。アーカイブはこちら

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