プライベートな生活を聞いておこう。
「そうしょっちゅう旅するわけではないけど、旅をするのは好きよ。旅先でスケッチを描いたり、土地の人に『何をするといい?』と聞いてみるとか。この春は、それまでやったことがないヨガをバルセロナでやったわ。新しいことに好奇心が働くタイプ」
ミラノから数十キロにあるベルガモ近くの豊かな自然のなかで育ったので、週末などに山を散策するのは日常的な習慣になっている。毎年、1人で山に出かけ、そこで新しい年を迎える。自宅では犬や猫というペットではなく、植物を育てるのが好きだ。
音楽とかどうなの?
「子どもの頃にギターを弾いたが、そう惹きつけられることもなかった。が、ドイツに留学している時、南米の友人に誘われてダンスを習い始めた。それからサルサとタンゴを踊るのは今も続いている。イタリアのオペラを劇場でたまに聴き、それから踊る。これが私の音楽とのつきあい」
彼女はホビーという言葉が好きではない。何か重要ではないものをホビーと指している印象がある。だからたとえダンスが週1であり、全体の時間のなかに占める割合は小さいが、マリアキアラにとっては大切なものだからホビーとは呼びたくない。
「毎日、社食で昼食をとっているのもいいけど、たまには美味しいチョコレートも欲しいじゃない。どれも大事なのよ。ダンスや哲学書を読む時間はあまりとれないけど、これらはチョコレートなの」
なかなか気の利いたことを言ってくれる。会話をしていて気持ちがいい女性だ。
【ミラノの創作系男子たち】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが、ミラノを拠点に活躍する世界各国のクリエイターの働き方や人生観を紹介する連載コラムです。更新は原則第2水曜日。アーカイブはこちらから。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ローカリゼーションマップ】も連載中です。