ビジネストラブル撃退道

台風直後の駅に列 災害時は「出社せねば」という無駄な使命感を捨てよ (2/3ページ)

中川淳一郎
中川淳一郎

 関係各位のコンセンサスで「まぁ、今回はしょうがないよね…」という案件であれば、もう集合する必要もないし、その日は休んでもいいのだ。だが、電車の「遅延証明書」を獲得するために作る行列なども含め、あまりにもバカバカしい「とにかく出社しなくてはいけない」的な風習がまかり通っている。

 大抵の労働者は「私がいなくてはすべてがまわらない」なんてことはない。先日、売れっ子コピーライターのこやま淳子さんと喋っていたのだが、彼女の考えには「そりゃそうだ」と賛同しかなかった。

 話の流れとしては、若手のフリーライターが「私がもらってる仕事なんて、誰か代替がいるようなものですよ」と言った時に、こやまさんは「そんなこと言ったら私だって一緒だよ。私がいなかったら他の女性の感覚が分かるコピーライターに仕事がいくだけだよ。結局そこは同じことだよ」と語った。

 彼女なりの謙遜はあるのだろうが、これは真実だろう。本当に仕事を頼みたかったAさんという人物がいたとして、それがサッカー日本代表やノーベル賞を受賞するような科学者以外であれば「次善の策」は繰り出せるものである。フリーの編集・ライターである私だってまったく同じである。代わりの同業者はいくらでもいる。

 野球にも「彼でなくても代わりはいる」

 2009年の野球の世界一決定戦・WBCではイチローが決勝の韓国戦の最後でタイムリーヒットを放ちそれにより勝利した。本来は先発のダルビッシュ有は抑えで登場し、韓国打線を封じ込め日本に世界一の称号が与えられた。

 このチームについては、イチロー・ダルビッシュを筆頭に「余人をもって代えがたい人物」が大勢いた。しかし、何人かは「彼でなくても代わりはいるよな」という選手が日本最高峰レベルであっても必ず存在するのである。

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