社会・その他

東電原発事故、予見可能性どう判断 旧経営陣3人に19日判決 (2/2ページ)

 これに対し3被告側は、長期評価は根拠が不明確で「信頼性はなかった」とし、直ちに対策に取り組まなかったことの妥当性を強調する。また実際の津波は試算と異なり、仮に試算に基づいて対策しても「結果の回避は不可能だった」と主張。指定弁護士の訴えと真っ向から対立している。

 事故をめぐっては、国会や東電など4つの事故調査委員会が検証を実施。国会事故調は事故を「人災」とし、東電も津波想定に「結果的に甘さがあった」とした。ただ一般的に重大事故で個人に刑事責任を負わせる過失罪の立証はハードルが高い。漠然とした不安感などではなく、具体的な危険性を認識した上で事故を予測できたとの厳しい事実認定が不可欠だからだ。

 東京地検は25年9月、「津波を具体的に予見することは困難だった」などとして3被告ら計42人を不起訴処分としたが、検察審査会は3被告を起訴すべきだと2度議決。津波を予見できたのに対策を怠り、事故で長時間の避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者ら計44人を死亡させたなどとして、28年2月に強制起訴された。

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