一方で、18年のインターネット小売額は前年比23.9%増。前年の32.2%増よりは鈍化したものの、実店舗での販売と比べると高い成長を維持しているとみられる。昨年11月11日に行われた中国ネット通販各社による恒例の「独身の日」のバーゲンセールでは、電子商取引(EC)最大手、アリババ集団の取引額が前年比約27%増の2135億元(約3兆5500億円)と過去最高を記録した。
実店舗では新たなビジネスモデルも
ネット通販に押されている実店舗では、新たなビジネスモデル作りが盛んになっている。だが変化の旗振り役はIT・ネットサービス大手だ。その代表格がアリババで、生鮮スーパーに参入してネットとリアルの店舗を組み合わせた「新小売」と呼ばれる取り組みを推し進めている。
アリババは、16年に生鮮スーパー「盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)」の店舗展開を開始。記者(三塚)は昨年秋に浙江省杭州市のアリババ本社近くにある店舗を取材したが、一見すると普通のスーパーと変わらない店内の至る所にネット企業ならではの工夫が施されていた。
店内に並べられた商品に付けられたバーコードやQRコードをスマホのアプリで読み取ると、商品の産地や流通履歴、調理方法など詳細な情報が確認できる。商品を選び終えた来店客は無人レジで、自ら商品のバーコードを読み取り、スマホの決済アプリを使って支払いを済ませていた。