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次世代ファーム、ロボット、バイオ…アグリ系ベンチャーが日本の農業を支える (2/3ページ)

青砥優太郎
青砥優太郎

AgTechへの投資が活発

 2020年から25年にかけてグローバルのスマート農業市場は、年間の平均成長率が9.8%になる見通しで、農業(Agriculture)と技術(Technology)を組み合わせたAgTech(アグテック)への投資も引き続き活発に推移しそうです。その中でも人気が高まっているのは次世代精密農業、ロボティクス、バイオです。

 日本としてはこうした動きを踏まえ、従来型にとらわれない新しい農業のデファクトスタンダードを構築していくことが重要です。具体的には(1)マーケットニーズからの逆算による栽培計画(2)環境負荷低減型のバイオ農業(3)栽培方法のレシピ化(4)産地と消費地の間で最適化された物流網の整備―などです。課題解決に向けた一連の改善策が進んでいけば、アグリ系スタートアップが活躍する場は広がっていくと思います。

収穫ロボットなどの実用化が進む

 今回の特集ではスタートアップを、次世代ファーム、生産プラットフォーム、流通プラットフォーム、農業ロボット、アグリバイオという5つのセクターに分類しました。デジタル技術の開発が進んだことによって、植物工場や陸上での先端養殖、収穫ロボット、ゲノム編集などの実用化が進んでおり、今後10年で多くの技術が本格的に採用されるようになると予測しています。

AIなどの先端技術効率化

 ベンチャーの台頭も加速しています。次世代ファームの分野ではファームシップ(東京都中央区)が電力会社などと組んでLED照明を活用した完全人工光型の植物工場を建設します。生産と流通のプラットフォームではビッグデータやAIなどによる生産プロセスの効率化が進み、オンラインを活用した取引が国内外で拡大しています。農業ロボットの分野ではドローンやロボットトラクターなどの新製品が相次いで誕生しています。アグリバイオは難しい分野ですが、バイオテクノロジーの活用による生産の効率化が進んでいます。

 5つのセクターとサプライチェーンは直結しており、各プロセスの効率化や刷新を通じ、持続可能な農業の新たなエコシステムを構築することが必要となるでしょう。今回は次世代ファームと流通プラットフォーム、農業ロボットの領域から5社を紹介します。

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