持ち帰り特化の注文アプリ
海外の事例を見ますと、COVID-19によって注目されているのが、米Snackpass(スナックパス)による持ち帰りに特化した注文アプリです。行列に並ぶことなく料理を注文することができ、アプリから事前決済できるテイクアウト注文サービスで、予約によってクーポンを獲得し友達への贈答を行える機能が備わっています。
英国で誕生したモバイルバッテリーのシェアリングサービスは、専用アプリをインストールすると現在地周辺にある貸出スポットを検索でき、スマートフォンからQRコードを読み込むことによって利用できます。
25歳以下の起業家は世の中の課題をとらえる感度が非常に高いので、こうしたサービスに対する需要が順調に拡大していると思います。本日は5人の起業家の立ち上げた事業を紹介します。
オンライン授業を効率化
Saola(東京都渋谷区)は在留外国人を対象にした日本語教育機関向けのオンライン学習プラットフォームを提供しています。
COVID-19によってオンライン授業が増える一方で、管理が複雑になっていることを踏まえ、教育フローを事前準備や授業、面接など5つに分けた上で、一括して管理できるようにしました。これによって業務の効率化を図り、各生徒の学習や人間関係などに対する満足度を可視化します。
オンライン上の入社試験
HRport(東京都渋谷区)は「Work Samples」というオンライン上の実践型入社試験サービスを提供しています。各業界・業種ごとにオリジナルで問題を設計し、受講者がオンラインで実際に起こりうる課題について回答し、その企業が評価します。書類選考の段階で応募者の適性を的確に判断することができ、選考過程の削減にもつながります。年間の応募者数が1000人を超えるような大手企業を主要ターゲットとしています。
店舗の売り場づくりをサポート
コンビニエンスストアやスーパーの売り場づくりを効率的に行えるようにサポートするのが、LAMILA(東京都文京区)のサービス「POSTIO」です。本部が画像などを使って陳列指示書を店舗ごとに作成し配信、その指示に従って店舗は商品を並べていきます。陳列後は売り場の状況を写真やコメントで本部に報告しフィードバックを受けるなど、コミュニケーションを効率的に行うことで売り上げ増につなげます。
若者コンサルで流行の要因を把握
ネオレア(東京都渋谷区)の戎光璃(えびす・ひかり)社長が高校生の時には女子高生フォトグラファーとして活躍していました。同社では「女子大生目線で私たちができること」といった観点に基づく、若者向けサービスの企画やSNSの運用に携わっています。とくに力を入れているのが企業向けの「若者コンサル」です。これを活用すると何が流行しているのかという側面だけではなく、「なぜ流行しているのか」を把握でき、マーケティングの強化につながるからです。
ユーザーの体調に合ったサプリ
iHack(東京都渋谷区)は医師や専門家集団と共に独自のサプリメントを開発し、オンライン上でユーザーの睡眠時間や食事、体調などを診断することで、そのユーザーに合った5種類のサプリメントを提案しています。独自開発のサプリメントは医学論文ベースで処方しており、エビデンスも開示しています。中長期的にはサプリメントを核にして睡眠やフィットネスといったヘルスケア領域の事業も展開する考えです。
COVID-19を契機にデジタルトランスフォーメーション(DX)分野を中心に新しいサービスが続々と登場しています。その原動力は感度や柔軟な発想であり、U25起業家が活躍する場はさらに広がりそうです。
【Fromモーニングピッチ】では、ベンチャー企業の支援を中心に事業を展開するデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)が開催するベンチャー企業のピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」が取り上げる注目のテーマから、日本のイノベーションに資する情報をお届けします。アーカイブはこちら