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リモートワークのお悩み解決 今こそベンチャーが働き方改革を後押し (1/3ページ)

篠原佑太郎
篠原佑太郎

 デロイトトーマツベンチャーサポート(DTVS)です。当社はベンチャー企業の支援を中心に事業を展開しており、木曜日の朝7時から「Morning Pitch(モーニングピッチ)」というイベントを開催しています。毎週5社のベンチャーが大企業の新規事業担当者や投資家らを前にプレゼンテーションを行うことで、イノベーションの創出につなげるのがねらいです。残念ながら新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のためオンライン開催となっていますが、いずれ会場(東京・大手町)でのライブ開催に戻す予定です。

 モーニングピッチでは毎回テーマを設定しており、それに沿ったベンチャーが登場します。ピッチで取り上げたテーマと登壇ベンチャーを紹介し、日本のイノベーションに資する情報を発信する本連載。今回は「働き方改革」で、テーマ概観を説明するのは篠原佑太郎です。主に人事や管理といった領域と東海エリアでのベンチャー支援に携わっています。

 リモートワークへの投資が増加

 働き方改革では労働時間の是正、正規・非正規間の格差解消、多様で柔軟な働き方の実現という3本柱が掲げられています。今回は多様で柔軟な働き方の実現の中でCOVID-19によって注目度が高まっている「リモートワーク」に焦点を当てて最新の動きを紹介します。

 当社ではモーニングピッチの会員を対象に「COVID-19によって、今後どのような領域で投資が増加するのか」といった調査を行いました。それによると、リモートワーク関連がトップとなりました。

人材サービス系シンクタンク調査でも、4月の緊急事態宣言後にリモートワークを導入する企業が一気に増えたことが分かりましたが、宣言の解除後は「なじめない」などを理由に、元に戻る動きが一部で顕在化しています。

 完全在宅は4割以下

 米国の経済研究所によると、そもそもすべての業種、仕事がテレワークに対応できるわけではありません。完全に在宅で行える仕事は全体の37%に過ぎないと言われています。在宅就労が可能な教育サービス、科学・技術サービス、企業経営管理、金融・保険、情報通信という上位5業種は積極的にリモートワークを活用すると思われます。その反面、運輸・倉庫や建設、小売り、農林水産、宿泊・飲食サービスといったリアルな場が重視される業種にとっては、人工知能(AI)やIoT、ロボットを活用した効率化・省人化が重要になってくるでしょう。

 インフラ未整備で改革進まず

 読者の中でもリモートワークに実際に取り組んでみて課題に直面している人がたくさん存在すると思いますが、その課題はコミュニケーション、業務支援、人材育成・人事評価、管理・事務手続き、環境・インフラ、企業文化・ルールという6つに分類されるのではないかと思っています。とくに多くの企業は環境・インフラ、企業文化・ルールに課題を抱えており、(1)ITのインフラの部分が不十分(2)子供がいてなかなか集中できない(3)対面を前提とする企業文化ができあがっている(4)就業時間や出社場所の規制がある-といった理由で、改革が進められていないのではないでしょうか。

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