仕事でデザインに関わるが、趣味も1960-1970年代のデザイン製品や空間を愛でることだ。仕事でデザインに関わるうちに、デザインの世界に嵌ったのだ。そのため開催されている展覧会やイベントを見るために週末、欧州各地を訪ねるようにもなった。ミラノにも仕事だけでなく趣味でもやってくる。
そうした探訪の結果は、彼女自身でインスタグラムに投稿しているMiss_Spaceageで垣間見ることができる。2万人ほどのフォロワーがいる人気あるアカウントだ。
インスタグラムの活動で多くの人と知り合った。毎日、頻繁にメッセージの交換をする。2年前もギリシャに旅した際、インスタグラムで繋がった名の知れたアートコレクターの大型ヨットに招待され、その人のコレクター仲間と一緒に膨大なコレクションを見せてもらう機会もあった。
彼女が好きなのはコンテンポラリーアートの作品で、特に抽象性の高いインスタレーションだ。
「作家の意図がすぐ分からないのがいいのよね。アーティストに質問したりしながら、新しい世界が見えてくるのが楽しいのよ」と笑う。
ルネサンス期の名画などにはあまり興味がない。
デザインでも20世紀前半の建築も高評価し、「さまざまに学ぶことは大好きだが、自分の世界をあまり広げ過ぎないのが肝心」と1960-70年代の作品に集中する理由を説明する。
だから予算が許す限り、この時代のデザイン製品を地道にコレクションしている。プラスティックがあらゆるフォルムを実現する可能性がある材料であるのに惹かれる。また、サステナブルであることが叫ばれ、人肌に馴染む自然素材が人気の今だからこそ、プラスティックのものを集める。
「10数年したら、逆に樹脂製品がアンティーク市場で評価されるはず」と見ている。