元受付嬢CEOの視線

人生は一度きり 受付嬢からCEOになって「得たもの」「失ったもの」

橋本真里子
橋本真里子

 今年も残すところあと2カ月…。私も例に漏れず、年末にむけてエキサイティングな日々を送っており、年末まで速度を上げて日々の業務をこなしております(笑)「もっともっと時間があったらいいのに…!」と思われているビジネスマンの方は少なくないのではないでしょうか。

 起業してから毎年、年末年始には「今年も無事に年を越せてよかった…!」と温かいお布団で寝られる日々を感謝しております(切実)。それと同時に、数年前の自分と今の自分を比較する季節にもなっています。

  • 「自分はちゃんと成長できているのだろうか?」
  • 「謙虚に、実直に、創業当時の想いをより強く持てているだろうか」

 などを自問自答します。

 これは私にとって大切な“儀式”なので、日々唱えてはいるのですが、年の瀬に近づくに連れて、頻度や深さが増します。時には、受付嬢を辞めて起業して得たもの・失ったものは何だろうか? と考えることもあります。今回は、いまCEOになった自分を客観視した際に思い浮かんだ変化についてお話しできればと思います。

「ポジティブ力」は最強の武器かもしれない

 ここ数ヶ月で、私が何人もの人に言われた言葉が自分にとって新鮮でした。それは、「橋本さんのポジティブさに感動しました」「橋本さんはなんでも前向きに捉えるね。めっちゃポジティブだね!」と言ったものでした。

 私自身、ネガティブなわけではなかったと思いますが、昔からポジティブ志向だったかというと全くもってその自覚はなかったです(笑)でも、確かに起業してからの私は言われてみるとポジティブ思考が身についていると感じるシーンが多々思い出されました。

 例えば、お店側が苦手な食材を確認してくださるケースってありますよね。会食の際、参加者の中のお二人が、「トマトが苦手なんです」と伝えたにも関わらず、トマトが運ばれてきたんです。そのことをお店に伝えようとされた方がいたのですが、私は「もしかしたらどっきりかもしれないですよー!(笑)」と言ってみました。すると、みなさん大爆笑してくれ、「あ、なるほどね! そういう捉え方ね!! それなら面白いよね」と空気が変わったのです。その際も「ポジティブだねー! そういうスタンス大事だよね」と言ってもらえました。私は何かを狙ったわけでもなく、自然に発言していたので、そんな風に言ってもらい恐縮でしたが、会食をいい雰囲気のまま終わらせることができて少しお役に立てたかなと思いました。

 気づかないうちに身につけていたポジティブ力が、いろんなところで自分を救っている気がします。

「心のゴミ箱」に捨てられる能力

 経営というのは日々、いろんなことが起こるものです。嬉しいこと、楽しいこと、辛いこと、腹立たしいこと…。喜怒哀楽と隣り合わせで生きていくのが経営者です。しかし、日々様々なことが起こるのに、いちいち反応していては時間も体力も無駄になってしまいます。例え嫌なことがあって気分が下がったとしても引きずっている暇なんかありません。それに、経営者のテンションやメンタルが不安定だと、会社全体の雰囲気にも影響を及ぼします。

 ですから、私は日々の辛い・悲しい思い出は全てその日のうちに心のゴミ箱に捨てるようにしています。人間の脳はそこまでたくさんのことを覚えていられるほど容量が大きくないと思います。忘れるというのは、別の視点で捉えると、素晴らしい機能だとも思います。小さい喜びをたくさん集め、嫌な思い出を脳から追い出していくんです。

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