これは日本全国どこの地域でも共通の課題だと思いますが、せっかく立派な歴史、いわれのある土地でも簡単に「東」「西」「南」「北」と最寄りの著名な地名に寄り掛かった町名にしてしまう。最たる例は、「新○○」というお手軽な命名です。筆者は新幹線で「新大阪」駅に降り立つとき、これほど歴史ある地域の玄関口がなんでこの名前なんだろうと、いつもちょっと残念な気持ちでいっぱいになります。
もちろん、そもそも複数の町を束ねるにあたって、どこか一つの地名に代表させることの合意の難しさといった大人の事情は分からないわけではありません。でも、「北区」「中央区」より良い呼称は絶対にあると確信します。全国でも珍しい気鋭の政治アクションだけに、日本全国の都市ブランディングへの問題提起になるような魅力的な提案ができていれば、結果はまた違っていたように思えてなりません。
少なからず市民の支持があることもまたハッキリしているわけですし、再チャレンジの声もあるようです。そんな際には、ぜひ都市ブランディングという視点で、じっくり構想を練り直してみるのも良いように思いますがいかがでしょうか。
【ブランドウォッチング】は秋月涼佑さんが話題の商品の市場背景や開発意図について専門家の視点で解説する連載コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら